FXとユンケル・ユーログループ議長
 先週10月1日月曜日、朝方発表された日銀短観は、大企業製造業業況判断と同設備投資が予想を上回ったものの円買いは一時的なものにとどまり、シドニーおよび中国・香港市場が休場のため午前は動意薄の展開に。それでもクロス円を中心に堅調な推移となりユーロ/円は昼前に164円台へ上昇。一方ドル/円は前週終値とほぼ同じ水準114.80円台で取引を開始し、クロス円の上昇につれて115円台を回復。午後も豪ドル/円などオセアニア通貨の強い相場が続き、夕方にはドル買い戻しが加速しポンドを中心に円売りも活発化。ポンド/円が236円を突破した他、加ドル/円も6営業日ぶりに116円台へ上昇し、スイスフラン/円も8月以来の99円乗せへ。ロンドン序盤まで円全面安の展開が続きましたが、ユンケル・ユーログループ議長が「欧州は貿易などの世界的な不均衡のツケをもはや引き受けられない」と発言、トリシェECB総裁もユーロ高に懸念を示し、さらに米金融大手シティーバンクの業績悪化の報道が伝わるとクロス円が急反落。ユーロ/円が165円手前から164.06円まで急落し、オセアニア通貨も高値から1円近く下落。しかしNY時間以降買い戻しが急速に進み、ユーロ/円が再び165円手前へ上昇するなど、クロス円は総じて行って来いの展開に。ドル/円も116.06円まで同日高値を更新しますが、その後発表された米9月ISM製造業景況指数が予想を下回る結果を示すと、115円半ばへ反落。一方同指数が52.0と景気分岐点の50を上回ったことを好感し米株式は上昇、ダウが7月20日以来の14000ドル乗せを達成。NY中盤以降クロス円は株価に支えられ高値圏でもみ合いとなり、ユーロ/円が165.04円まで同日高値を更新。一方ドル/円はISM指数後116円手前まで戻すものの、その後は115.70円台までじり安で推移しました。 FX取引、FX初心者、くりっく365、FX口座開設、FX資料請求  2日火曜日は午前からクロス円主体の利益確定売りが先行、豪ドル/円が103円を割り込み、ユーロ/円も仲値後から急速に下げ幅を広げ、昼過ぎには164円割れへ。ドル/円も115円前半まで値を下げ、前日から一転して全面円高の展開に。アジア株が軒並み大幅高となるもクロス円の下落は午後も続き、欧州序盤、豪ドル/円が102円割れを起こし前日の上げ幅を相殺すると、ユーロ/円も163.61円まで同日安値を更新。しかし夕方以降、ドル/円の買い戻しが優勢となり、オセアニア通貨も安値から反発。一方ユーロ/円はユーロ/ドルが大幅反落した影響で戻りが鈍く164円をはさんでもみ合い。NY序盤もドル/円・クロス円堅調の流れが継続、米8月中古住宅販売保留は予想を下回るもドル売りは一時的で、直後に同日高値の115.99円を示現。NY中盤以降は軟調なダウやユーロ/ドルの下げ止まりを受けて、ドル/円・クロス円とも上値の重い展開となり、ドル/円は115円後半でじり安となりました。FX  3日水曜日は軟調なNY終盤の流れを引き継ぎ、朝方NZドル/円が海外時間の高値から1円以上安い87.16円まで下落する場面がありましたが、東京市場はクロス円中心に買い戻しが優勢に。また豪州準備銀行(RBA)は政策金利を6.50%に据え置くことを決定。市場の予想通りのため豪ドル/円の反応は限られましたが、その後発表された豪8月小売売上高が予想を大幅に上回る強い結果を示し、豪ドル/円は103円台へ急伸。ユーロ/円など他のクロス円もつれ高となって上昇しました。一方ドル/円は東京時間115円後半でこう着した展開。しかし欧州序盤、特に材料のないなか投機筋の買いでドル/円が116円台へ急騰、クロス円も軒並み上昇しユーロ/円は164円後半へ急伸。ロンドン時間以降もドル/円・クロス円はじりじりと下値を切り上げ、米9月ADP全国雇用者数は市場の予想通りとなり、ドル/円はその後もじり高で推移。米9月ISM非製造業景況指数が予想を若干上回る堅調な結果を示すと、ドル/円は116.77円まで上昇、8月27日以来の高値を更新しました。一方この日も欧州当局者からユーロ高を懸念する発言が相次いだことからユーロ/ドルが大幅反落。NY中盤以降円の買い戻しも活発化し、ユーロ/円が165円台を維持できず反落した他、豪ドル/円も103円を割り込み海外時間の上げ幅を相殺。一方ドル/円はドル全面高に支えられ、取引終盤にかけても116円後半の水準を維持しました。 FX  4日木曜日午前はドル/円を始めこう着した展開。岩田日銀副総裁の「米景気減速が日本経済の成長にとって下向きリスク」との発言にも特に反応はなく、ドル/円は116円後半でもみ合いとなりました。午後に入るとイングランド銀行(BOE)が利下げに踏み切るとの思惑からポンド/円を始めクロス円が下げに転じ、ポンド/円が236円前半まで下落、ユーロ/円も一時164円割れを起こしますが、下押しは限られ欧州序盤から買い戻しが優勢に。反発後クロス円は堅調に推移しユーロ/円が164.88円まで同日高値を更新、ポンド/円も237円半ばまで反発。ロンドン時間以降は英欧の政策金利発表を挟んで上下に振れる荒い値動きとなり、BOEが政策金利を据え置きに決定すると利下げを期待していた向きの買い戻しでポンド/円が上昇。一方欧州中央銀行(ECB)は前月に続いて据え置きを決定しますが、トリシェECB総裁が会見で「金融政策は緩和寄り」の文言を削除、また景気の下向きリスクを指摘すると、市場ではユーロ売りが加速しユーロ/円が再び164円割れへ。しかしECBイベント消化後、特に材料のないなか投機筋の買い戻しでユーロ/ドルが急反発し、他の主要通貨も合わせて対ドルで上昇、一転して全面ドル安の展開に。クロス円も軒並み反発しユーロ/円は164円後半まで回復。一方ドル/円は一時116.26円まで下落しますが、NY中盤以降ドル売りが一服すると取引終盤にかけて116円半ばでこう着状況に。 FX  週末5日金曜日は午前から米雇用統計を前に手控えムードが強く典型的な週末相場に。ドル/円は116.30-50円台の狭いレンジで小動きとなり、ユーロ/円も164円半ばでこう着した状況が続きました。欧州時間に入って豪ドル/円など資源国通貨を中心にやや堅調な値動きとなり、特に加ドル/円はカナダ9月失業率が1974年以来となる6%割れを示すと118円台へ急騰。NY入り、注目された米9月非農業部門雇用者数は+11万人と市場予想の+10万人を上回り、さらに前月分も上方修正されたことからFRBの利下げ観測が大きく後退。市場ではドル買いが殺到し、ドル/円は116.40円付近から一気に117円台へ上昇。8月23日高値を突破して117.27円まで同日高値を更新しました。一方ユーロ/円は対ドルで1.4032ドルまで売り込まれた影響で下げに転じ164.15円の同日安値を示現。しかしその後、下値で大口のユーロ買いが入り、ユーロ/ドルが1.41ドル半ばまで急反発すると、他の主要通貨でもドル売りが加速、軒並み下落幅を相殺する展開となりました。クロス円もこの動きを受けて強含みとなり、ユーロ/円が165円台へ上昇。豪ドル/円も105円台、加ドル/円にいたっては119円台を突破し年初来高値を119.28円まで更新しました。ドル/円はクロス円に支えられ116円後半の水準を維持、前週比2.04円高の116.89円で取引を終了しています。先週末発表された米9月非農業部門雇用者数は+11万人と市場予想の10万人を上回り、さらに前月の-0.4万人も+8.9万人に上方修正され、総じて強い内容になりました。2003年以来の減少に転じ市場に大きなインパクトを与えた前月の結果が修正された点が大きく、FF金利先物市場では今月末のFOMCの利下げ織り込み度が50%近くまで急低下しました。また先週はユーロ/ドルが大幅に反落するなど主要通貨に対するドル売りに一服感が見られ、ドル/円も8月23日以来となる117円台を回復しました。また先週の欧州中央銀行(ECB)理事会でトリシェECB総裁は、声明で金融政策が緩和寄りとする従来の文言をはずし、金利水準がピークを迎えたことを示唆。さらにユーロ圏経済の下向きリスクについて言及しました。それでもインフレ動向を引き続き監視するとの姿勢は崩さず、利上げ余地を残す形となっています。今週は強い米雇用統計の改善を受けた景気悲観論の後退によるドルのセンチメント改善と、ユーロ/ドルを中心とした持ち高調整によるドル巻き返しが、ドル高の地合いをさらに強めることになるかに注目していきたい。  今週は米8月貿易収支や同9月小売売上高などが注目され、原油高などを背景にインフレ動向に市場の関心が移っていることを考えると9月生産者物価指数(PPI)の動向にも注意が必要と思われます。また先月開催されたFOMCの議事録が9日(日本時間10日午前3時)公表予定ですが、今月末の追加利下げ観測がまだ根強く、FRBのハト派的スタンスへの移行を確認して市場がドル売りに動く可能性があるため、株価の反応と合わせて公表後の反応に注意したい。FX  その他の指標では11日の豪9月雇用統計が注目されており、前回非常に強い結果を示した新規就業者数が今回も高水準を維持すると見込まれており、雇用市場のひっ迫が示されれば来年6月とされる豪州準備銀行(RBA)の追加利上げ観測に追い風となると見られます。また11日には日銀の政策金利発表が予定されていますが、市場では据え置きが予想されており、むしろFOMCと開催日程が重なる月末の会合の方に市場の関心が向いているといえます。 ドル/円は先週3日、8月17日以降の三角持ち合いから上放れを起こし、週末には8月23日高値117.12円を突破、117.27円まで高値を更新しました。クロス円に遅れてようやく上昇トレンドを示してきたドル/円が、今後どこまで高値を伸ばせるか注目されます。しかし7月下旬から8月上旬にかけてもみ合った117.20-119.81円が目先の上値抵抗ゾーンとなり、90日移動平均線(118.80円)や200日移動平均線(119.30円)の通るこの水準を一気に突破するのは難しいと見られます。また中期移動平均線のかい離率が広がっていることから、NY引けで5日移動平均線を下回る場合はいったん調整が入る可能性があります。下値は116円台で踏みとどまるかどうかがポイントとなり、先週後半の支持線116.20円付近では底堅い値動きが期待できるもののこの水準を割り込むと、21日移動平均線の通る115.50円付近への反落リスクも。今週の予想レンジは115.50-119.50円。先週ユーロは対ドルで調整が入ったものの、対円では強気の地合いを維持し、8月8日高値に並ぶ165.37円の高値をつけました。中期的には7月13日につけた史上最高値168.93円を目指す展開も期待されます。しかしこれまで大きな押し目もなく高値水準での推移が続いているため、目先は調整リスクに注意が必要です。先週の安値圏である163.50円付近が支持線として期待できますが、調整が深いと163円割れの可能性が出てきます。それでも163円割れ水準は、26週移動平均線(163.00円)や90日移動平均線(162.70円)など支持線が多く、当面は下値のめどと考えられそうです。今週の予想レンジは162.50-167.50円。